借金問題はお早めに相談を?

こんにちは,ホスピタリティ弁護士の長屋です。

お盆休みに入りましたね。帰省されている方,旅行に行かれている方など各々夏季休暇を楽しんでおられることでしょう。後半戦に向けて英気を養ってください。

さて,個人の方の自己破産申立て(非事業者)に必要なものについては前回述べました。

事業者や法人の破産申立てについても基本的には同様ですが,確定申告書類や総勘定元帳なども事業状況が分かる書類が必要になりますので予めご準備ください(なお,書類の不備は致し方ありませんが,きちんと内容を説明できるようにしておいてください)。

個人の方(非事業者)の破産については,基本的に裁判所の書面審査だけで決定が出ます(「破産同時廃止」といいます)。この場合,申立書に財産目録や破産に至る経緯などを記載した報告書を添付し,特に問題がなければ,申立てからおよそ3か月くらいで免責(いわゆる,借金がチャラになる状態)まで進んでいきます。

一方で,事業者であったり,非事業者であっても著しい浪費や財産隠匿が疑われる事案については,財産関係を調査したり,生活状況を観察するために,裁判所によって管財人(弁護士)が選任されることになります。

管財人は裁判所に代わり財産関係や生活状況などを調査し,財産があれば換価して配当原資を形成させます。申立人には,管財人への説明義務や協力義務がありますし,郵便物もすべて転送されますので,隠し事は禁物です。下手に隠蔽しようとすれば,手続きが長引くばかりか,免責を許可されない可能性もありますので注意してください。皆さん必死で財産を守ろうとされるのですが,一から出直させてもらうという気持ちで真摯に対応すべきです。

著しい浪費などは借金の原因なので今更どうしようもないですが,自由財産として守れる財産もありますので,勝手な判断で財産を処分して隠匿を図ろうとしたり,返済が厳しくなったからといって特定のところにだけ返済したり(偏頗弁済)することはせずに早めにご相談ください。

最後に,機会があれば詳しくご説明しますが,ご自宅をお持ちの方であっても,定期的な収入のある方については,自宅を手放さずに解決できる場合もありますので(小規模個人再生),ぎりぎりまで我慢せずに早め早めのご相談がよろしいかと思います。