こんにちは、ホスピタリティ弁護士の長屋です。
さて、今回は、公正証書遺言の存在を確認できる方法について簡単にご説明します。
私も公正証書遺言の作成を依頼されたり、遺言執行者になることもありますが、ご家族には内緒にしておきたいという方もいらっしゃいます。
その場合、残されたご家族としては、遺言者の生前に「遺言を残している」と聞いているが、本当に遺言書があるのかどうか分からないときがあります(専門家などが遺言執行者になっていれば、遺言執行者の就任通知を出すことが多いと思いますので遺言書の存在は明らかになります)。
そんなときに、利害関係人は、最寄りの公証役場で遺言書の有無を検索してもらうことができます(ただし、平成元年以降に作成したもの)。なお、生前は遺言者本人しかできないため、遺言者の協力が必要になります。
(必要書類)
ア 遺言者が死亡していることを確認できる資料(除籍謄本など)
イ 請求者が相続人であると確認できる資料(戸籍謄本、除籍謄本など)
ウ 本人確認書類(運転免許証もしくは実印と印鑑登録証明書(発行後3か月以内))
エ 検索費用は不要(ただし、遺言書の存在が確認でき、閲覧したり謄本請求する場合は有料)
請求者が法定相続人である場合は戸籍謄本などで利害関係人であることを確認できますが、法定相続人でない受遺者の場合は容易に確認できません。その場合、自分が受遺者になっていると想定できる資料を準備し、公証人に利害関係があることを説明しなければなりません。
また、他人に依頼する場合は、委任状(委任者の実印、発行後3か月以内の印鑑証明書)と受任者の本人確認書類が必要になります。
請求者が利害関係人と確認できれば、公証人は日本公証人連合会事務局へ遺言書の有無について照会をかけます。そして、同事務局が遺言書の有無を検索し、遺言書の有無、遺言書を保存している公証役場を回答します。
ただし、検索の結果、遺言書の存在が確認できても、閲覧したり謄本請求したりする場合は、遺言書が保存してある公証役場に赴かなければなりません。
お心あたりがある方は、一度調べてみてはいかがでしょうか。